Zelleの世界
Zelle
Zelleとはこのゲームのタイトル名でドイツ語で独房などを意味します。
この物語は主人公のエメラダという少年の視点からのもので、全ては解き明かされていません。
ここではゲーム中には見れない部分を含め、Zelleの世界の一部を紹介します。
※ネタバレを多く含むのでゲームクリア後の閲覧を推奨します。
--------- 用語 ---------
悪魔
「悪魔」は地獄で苦痛を受け続けた罪人の魂が具現化したものを指す。地上で姿をみせるものたちの大半はこれにあたる。
物語の中で出てくるアーリマン、アスタロトなどは悪魔族であり、怨念から生まれた悪魔達の上に立つ存在として君臨しており、神族と敵対している。
地獄が死者の魂で満たされるとその一部が地上へと溢れ出て、全ての生きとし生けるものへ危害を加える。
Zelleの世界ではこれが一定周期で起きているが、天界の神族たちはこのサイクルを認めず、地上に溢れる悪魔は現世に住む人間達の悪しき心から生まれてくるものだと提唱している。
今なお、罪人の魂はとにかく地獄へ送りつけるという従来のやり方を神々は死神たちに強要している。
黒魔術
悪魔族が編み出した禁呪の一つ。
闇の持つ力を利用し、相手を死に至らしめる術である。黒魔術から転移術、召喚術、呪術、窃盗術、探索術などが派生した。
天界にとって、これらの使用は罪にあたる。
死神たちは何気なく使用しているが、彼らに関しては暗黙の了解らしい。
聖戦士
聖杯を授かり命を吹き返した者達。
人間でも悪魔族にも対抗できる天の力を得るが、その力の根源は命の燃焼にある。
アースガルド
罪人は地獄へ、それ以外は天界へと向かうこの世界。人ではない神が滅ぶと行くべき場所はアースガルドの地であったが、悪魔の大軍勢の奇襲に遭い血の海と化し、荒廃した地と化した。
安住の地としての役割を失ったのである。
行き先を失った今、彼らが向かう場所は完全なる無の世界だった。
聖戦士も神に仕える以上、同じ運命を迎えることとなる。
無の世界
万物の根源「無」に戻る場所。
女神の教え
「女神の教え」とあるが、女神ちゃんが書いたわけではない。人々に浸透させるために、馴染みのある言葉を使った。
内容は自己愛や罪の自覚を促す内容のものとなっている。
----------- 登場人物 -----------
エメラダ
罪状:自殺
主人公の少年。
無口で少し暗い性格。
親友であったグラ(竜の子)と月夜の森でよく会っては遊んでいた。
しかし、しばらくして体の弱かったグラは病死してしまう。
親友を失ったエメラダは心に大きな傷を負い、崖から身を投げ自殺してしまう。
付近に住む死神ゾグゾに魂を拾われ城に連れて行かれたが、親友を失ったショックからか感情が欠落していた。それどころか、グラとの記憶まで抜けていたがこれは自発的な精神防衛だったのかもしれない。
グラと同様に彼にとって大切な存在だったのが、母親である。
愛する母親の元に帰るべく、彼は城からの脱出を決意する。
脱出する際に、自分の記憶を振り返り、また様々な人々と会うことで少しずつ失った感情と記憶を取り戻すこととなった。
最終的に聖杯を飲んだことで聖戦士としての復活を果たし、親友のグラの助けの元、愛する母親の元へ戻ることができた。
アードルフ
罪状:窃盗、黒魔術の使用
主人公エメラダの前任者的存在。
言葉遣いが少し悪いが、根は優しい青年だった。
いわゆる浮遊霊という状態で月夜の城の中に居着いていた。
その頃は死神ゾグゾも城にはおらず、悪魔も住み着いている状況ではなかったのでまったりとお城ライフを満喫していた。
だが死神ザムザ との接触はその時点であったらしく、親交があったようだ。
話をする中で、聖杯の存在や悪魔のことなど色々と教えてもらっていた。
ただ、その中でアードルフは聖杯の危険性については全く耳を貸さなかったようである。
ぐだぐだと自分の部屋で過ごしているうちに悪魔が城に住み着くようになってきた。
彼は城からの脱出を試みようとしたが、部屋の外はすでに悪魔達のはびこる場所と化していた。
だが彼には悪魔への対抗手段もなく、途方に暮れていた。
そんな彼の元に現れたのが女神ちゃんが現れ、彼女からロザリオを受け取ることとなる。
ロザリオを手に悪魔を撃退しながら城を脱出する途中、女神から聖杯を受け取ることになる。
無事脱出を果たした彼は、聖杯を森にいる自分の死骸に飲ませ復活を果たすが、
しばらくして不運にもアスタロトと出くわし敗れる。
砕かれた彼の魂はアースガルドへと向かうこととなった。
その地で他の聖戦士達や神々と幸せな日常を送っていた彼だが、今度は不運にも悪魔達の奇襲に遭い、またしても敗れてしまった。
3度目の死を迎えた彼は、アースガルドが荒廃してしまった今、無の世界へ向かうこととなった。
絶望した彼は考えることをやめたが、自分と同じ境遇を迎えそうなエメラダの状況を感じ取り、遠く無の世界から何かの信号を送っていたようだ。
ロキ
踊るのが好きな元気いっぱいの男の子。
罪状:黒魔術の使用
ーつ目の魔術師の末裔。
人里離れた山に住むこの一族は、人間達から奇異な目で見られていたが、できるだけ敵意がないことを主張するために一族は好意よく人間達と接するようにしていた。
ただ、それでも略奪行為などをしてくる悪しき人々はいた。そんな人間達に対抗する手段が黒魔術という存在だった。
しかし、時代が流れ魔女狩りの影響がーつ目の魔術師達の住む地にもくるようになる。
次第に消耗していった一族は抵抗する力がなくなり、人間達に村を焼かれてしまった。
なんとか逃げ延びた一族は、森の奥へ奥へと移住していったがこの逃走劇は世代にわたり続くこととなった。魔女狩りの流れは廃れたものとなり、影響を受けなくなった一族であったが、その頃には残る者も数人といった状況となっていた。
それから時は流れ、最後に残ったのはロキとその母親だけであったが、不治の病で母親に先立たれた。
一族の最後の一人となったロキはその後、月夜の森で静かに息を引き取った。
ゾグゾの手により月夜の城で魂を保護され、成仏した。
月顔の男
罪状:強制わいせつ、暴行
元は紳士的なおじさんであった。
子供が大好きで、生前は孤児院に勤めていた。
孤児院の子供たちとスキンシップをよくとる面倒見の良い性格だったが、次第に子供達との交流に欲情するようになってしまった。
それからは、「お仕置き」という名目で、孤児院の子供達に様々なわいせつ行為を影でしていた。
次第にそれはエスカレートし、子供の体に傷をつけるほどになった。
しかし、彼は子供達からの冷たい眼差しを感じるようになり、当時孤児院に来た時の子供達の笑顔を思い出すと胸が痛くなるのを感じた。
彼は自分の犯した罪を自覚し、ひっそりと孤児院を去り、人のいない月夜の森に住むことにした。
村の外れの森で一人寂しく暮らす彼は、欲情を我慢しつつ(とはいえ森に迷い込んだ子供に接触していたが)、静かに息を引き取った。
現在はゾグゾの住む城にいるが、たまに部屋からでてふらふらしているので、悪魔にとりつかれ人ならざる姿になってしまったようだ。
ゾグゾが話を聞きながら、悪魔を祓う方法を模索している。
死神ゾグゾ
女神の教えを口説く一風変わった死神。
愛鎌レブナントをパートナーとしている。
月夜の城で迷える罪人の魂を城で隔離し、浄化させている。その傍ら救いようのない罪人の魂を地獄に送る死神としての役目も果たしている。
死神と善人としての二面性を持ち合わせており、本人はこの死神の面としての自分に嫌悪感を抱いている。
罪人は何者であろうと地獄に落とすのが死神としての役割であるが、彼は救いようのある罪人までも地獄に落さねばならないことに疑問を感じていたのだ。
そもそも魂の救済を口説く女神の教えに反する行為を自分はしているのではないかと・・・
悩みながらも死神としての役目に反することもできず、日々苦しまされていた。
そんな彼の元に現れたのが死神ザムザという男で、死神の面からの脱却の術を教えてもらうこととなる。
今では月夜の城で罪人の救済を行えるほど、死神としての本能を抑えることができている。
しかし、ふとした出来事で死神としての面がおもてに出てくるようで、満月の日は特に抑えづらいようだ。
死神ザムザのような存在となることを夢見ながら、女神を崇拝するゾグゾだが、彼が真実を目の当たりにする日はいつになるだろうか。
死神ザムザ
悠久の時を生きる大柄の死神。
愛鎌ネクロファージ(ネクロ)をパートナーとしている。長年生きているだけあってzelleの世界のことに精通しており、また死神の性からも完全に解かれている。
ネクロファージがいる限り彼は不滅であり、ザムザ がいる限りネクロファージは不滅である。
しかし、怖いものは少し苦手。
死神ザムザ は天界の神族にとって非常に厄介な存在であり、過去に死神を集め天界に対しクーデターを起こした大罪人でもある。
この出来事を知る者は天界の一部の神族のみであり、現在では悪魔族の侵略行為として表向き書き換えられている。
ザムザ は現在、自分のことを地獄の水先案内人と名乗っている。だが、その裏で罪人を地獄に行かすかどうかの判断をし、死神達の出入り口である天界への裏口を通し、死者の魂を一部天界へ送っている。
そのせいか女神に狙われているが、はらりはらりと身をかわしていた。
死者を天界に送り続けているのは次なる天界への反逆の準備をしているのか、はたまた純粋な優しさであるのか。
ただ、腐敗した天界の内政へ怒りを抱き続けているのは確かなようだ。
彼は正義の名の下に生きる死神なのだ。
若かりし頃のザムザ
女神ちゃん
天界に住む女神の一人。
彷徨える魂の中から強靭な精神力を持つ者を見定め、聖杯を与え、聖戦士を生み出している。
そんな彼女も昔は母親をこよなく愛する無垢な少女だった。
平和を何よりも尊重し、母親との散歩が毎日の楽しみであった。
そんな彼女も大きくなり、天界にいる神族の元に呼び出される。女神としての使命が始まる時がきたのだ。
ヴァルキリーの家系として生まれた彼女に任された使命は聖戦士の選出であった。
しかし、争いを嫌う彼女はそれを拒んだ。
しばらくして、彼女は神族の元へ再び向かい、聖杯を利用しない平和的な解決方法を彼らに提案したが、神族の怒りを買ってしまった。
彼らは自分たちの命令を聞かせるため、口を塞ぐため、「堕天の水子」を女神ちゃんの体内に寄生させた。
グラちゃん
神竜の子。その素性は謎に包まれている。
月夜の森でひっそりと暮らしており、主人公のエメラダと親交があった。
死後、その魂は月夜の森にあり続けたが、主人公を救出するため彼の元へ向かう。
アーリマン
悪魔族の一人。
罪人への拷問を何よりの楽しみとしており、生業としている。
自分は相手を傷つけるだけでなく、手当や身の回りの世話もしっかりしているので面倒見がとてもよいと考えている。
好戦的な性格で、過去にアースガルドへの奇襲に参戦した経歴がある。
黒甲冑の悪魔
腕に刺青を入れた黒い甲冑の悪魔。
元は聖戦士でアードルフとパトリックと仲良くアースガルドで暮らしていた。
※その後の出来事はゲーム内のメモを参照
エメラダとネクロファージに敗れた彼は無の世界へ向かうこととなる。
ならず者
森のふもとにある村に住む太ったならず者。
窃盗、略奪はお手のもの。
呪われた噂のある月夜の城にチャレンジすべく、遠くから頑張って来た。
タオべ4世
罪状:拷問殺人
月夜の城の最後の城主。
月夜の城では昔軍鳩の育成が盛んに行われ、タオべ家が育て上げた軍鳩は非常に優秀であった。
また、魔女狩りの功績を上げるため、村の怪しそうなものを片っ端から地下に閉じ込めていた経歴がある。
その後タオべ4世は病死したが、彼は死神の目を避けながら、今もなおこの城の中を徘徊している。
堕天の水子
神族と悪魔族が交配した場合、子を授かることはないが、稀に未熟な状態で生まれてくることがある。そのほとんどは間も無く死ぬが、体内に戻すことで寄生して生きていくことができる。
寄生された宿主は徐々に意識を飲み込まれていく。